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多くの企業では、転職において履歴書と職務経歴書の2つで書類選考を行います。その中で、趣味の欄はあなたの人柄を伝えられる数少ない項目です。
企業風土に人柄がマッチするかどうかは、面接などでも見られている重要ポイントです。それを伝えられる趣味の欄は貴重です。今回は、履歴書における趣味について次の2つの点において解説していきます。
- 趣味でアピールするとは、どういうことなのか?
- 具体的な履歴書での趣味の効果的な書き方
他者に差をつけることができる内容なので最後まで読んでみて下さい。
目次
人柄アピールって何?
履歴書の趣味の欄は応募企業にマッチする人柄のアピールに使うことができます。それについて具体的な事例を踏まえてお伝えします。
企業は自社にマッチするか人柄かを見る
転職では職務経験やスキルが合否の判断基準の中心になります。ただ、企業風土と応募者の人柄がマッチするかも重要です。
例えば、仕事の進め方における評価などにも企業ごとに違いがあります。全てでは無いですが、営業系の会社なら行動が評価されますし、技術系の会社ならじっくり考えてから取組むことが評価に繋がります。
さらに昨今、体育会系の企業風土に合わず精神的に追いつめられて辞めていく人も多いです。企業風土と応募者の人柄は仕事の評価だけでなく、仕事を辞めないことにも関わるのです。
詳しくは、次の記事で解説しています。この記事では人柄でなく価値観と呼んでいます。
数少ない人柄アピール項目
履歴書や職務経歴書などの書類選考において、趣味の欄は応募者の人柄をアピールできる数少ない項目欄です。
人柄は面接で判断されますが、応募者が多いと書類選考で落とされたり面接の順番を後回しにされます。中途採用は欠員募集の側面が大きく、採用が出ればその時点で募集や選考は打ち切りです。
書類選考でそうならない為に、会社にとってマッチする人材であることを趣味の欄を利用してアピールしましょう。
職種や業界毎の好まれる3つの人柄
人柄をアピールするとお伝えしましたが、応募企業が求めている人柄は様々です。ここでは、趣味を通じてアピールできる3つの人柄を職種や業種別で解説します。
ただ、同じ職種や業界であっても企業風土は様々なので、あくまで傾向と考えて下さい。後で述べる、書き方のポイントでもこの3つの人柄をもとに解説します。
活動的
行動力や対人関係などをアピールでき、行動量や印象、コミュニケーションが仕事に大きく影響を及ぼす職種や業種において重視されます。
具体的には営業、販売、接客など人と人との関係性が重視される職種です。広告、建築、不動産、人材系、小売、飲食など積極性が求められる業界に好まれます。
几帳面
思考性や集中力などをアピールでき、職務遂行において正確性や理論、ルールなどが必要な職種や業種において重視されます。
具体的には研究職、技術エンジニア、ITエンジニアなどの専門技術職や経理、法務、人事、総務などの管理系事務職、アシスタントや一般事務職などです。
業界としてはどの職種も幅広く存在しますが、該当職種が多いメーカーやITは企業風土に几帳面さが顕著に現れます。その他、金融などミスが許されない業種などでも多いです。
感度が高い
デザイン力や洞察力などをアピールでき、トレンドを産んだり一般消費者向け事業における職種や業種において重視されます。
具体的には企画、マーケティング、クリエイターなどの職種です。広告代理店、出版、販促、インターネットといった流行発信に携わる業界や映画、芸能、アパレルといった流行を生み出す業界にも好まれます。
その他飲食、小売、消費財メーカー、家電メーカー、化粧品メーカーなど一般消費者向けの事業を行う会社でも好まれます。
書き方のポイント
長くなりましたが、趣味を採用につなげる為の考え方は理解できたかと思います。ここからは、具体的に履歴書における趣味の書き方のポイントを解説します。
一言では伝わらない
よく履歴書の趣味の欄に一言で、「スポーツ」、「旅行」などと書いている方がいますがそれは辞めて下さい。一言ではあまりにも言葉足らずで担当者には伝わりません。
それどころか履歴書の空白が目立つことで、応募に対する意欲が無いと判断されるかもしれません。
書き方はキーワードと丸括弧を使う
効果的な書き方はキーワードと丸括弧です。趣味欄はスペースが小さいので、パッと見た時に一言で理解できるようにキーワードを利用し、具体的な内容は丸括弧を使うことで見やすくします。
先程のスポーツと旅行の場合なら以下のようにします。
スポーツ全般(チームスポーツである野球やフットサルなどを月1回の頻度で行っています。)
国内旅行(3ヶ月毎に情報収集と計画を立て、2泊程度のひとり旅をします。)
3つのアピール方法を考える
書き方が分かったところで、次はどのような人柄を伝えるかです。前述した活動的、几帳面、感度が高いの3つになりますが、書き方によって人柄のアピール方法が変わるのでそのコツを知って下さい。
前提として、転職エージェントやインターネットを使って応募先の企業風土を知ってから、それに合わせて3つの内のどの人柄をアピールするのか考えて下さい。先に説明した、職種や業種での傾向も参考にして下さい。
人柄アピールのコツ
それでは、具体的な書き方のコツをお伝えします。3つの人柄のアピールはそのフォーカスする点に違いがあるのです。
- 活動的は、その行動や人間関係にフォーカスする
- 几帳面は、こだわりや取組みにフォーカスする
- 感度が高いは、情報収集やチャンレンジにフォーカスする
どういう事なのでしょうか、実際に先に出たスポーツと旅行を使って解説していきます。
スポーツの例文
まずスポーツで考えます。同じ例文を記載しますが、この例ではチームスポーツや仲間という言葉を使って人間関係にフォーカスしているので唯でさえ活動的なスポーツという題材がより活動的に感じられます。
スポーツ全般(チームスポーツである野球やフットサルなどを仲間と月1回の頻度で行っています。)
それではこれを几帳面としてアピールする場合はどうなるでしょうか?例えば、取組みにフォーカスして次のようにすると先程とは印象が違います。計画性や正確さを気にする人柄が見えるからです。
スポーツ全般(主にランニングです。距離やタイムを計測し週2回程度行っています。)
それでは、次に感度が高いことをアピールする例文です。フットサルという内容そのもので感度の高さを出すよりは、情報収集や新しい環境へのチャレンジで感度の高さをアピールしています。
スポーツ全般(主にフットサルです。テレビや雑誌で話題の施設は全て利用しています。)
旅行の例文
もう1つ、先程も出てきた旅行を例にしてみます。もう一度記載しますが、この例文は情報収集と計画、また3ヶ月後という規則性にて几帳面さをあらわしています。
国内旅行(3ヶ月毎に情報収集と計画を立て、2泊程度のひとり旅をします。)
これを活動的にした場合はどうなるでしょうか?次の例文では人とのコミュニケーションを積極的に持つことで活動的に感じられます。この例文では先程に比べ、人懐こさが感じられるようになりました。
国内旅行(その土地の雰囲気を楽しむため、お店や観光地の人に積極的に話しかけます。)
最後に感度の高さです。ここでは、未知の分野に対する積極性や自分からの情報発信にて感度の高さをアピールします。他の分野にも応用できる考え方です。
国内旅行(敢えて雑誌やネットでの情報が少ない地域を旅行し、その内容をブログに書いています)
箇条書きで2つ書く
次は、いくつ書くかについてです。可能なら2つ程度書いて下さい。やはり、1つよりも2つあったほうが担当者のアンテナにとまる可能性が高いです。この場合は、先程のキーワード+丸括弧を1つとして、箇条書きにして下さい。
恐らく、スペースの関係で2つが限界だと思われます。もし、無いなら無理して2つ書かないで下さい。嘘や語れない事を書いて質問されれば言葉に詰まってしまいます。
多趣味やこだわり過ぎには注意!
今お伝えした2つにするとも関係ありますが、多趣味や趣味に対する深すぎるこだわりは、裏目にでるので気をつけて下さい。
例えば、3ヶ月に一度は長期の海外旅行と書いた場合は、忙しい時期でも休みそうだなと思われますし。1日何時間も読書をする人などは、徹夜をして仕事に支障が出るのではないかと思われます。
会社はできるだけ仕事に情熱やこだわりを持って取組む人がほしいです。プライベート重視の人よりも、いわゆる仕事人間を採用したいのが企業の本音です。
嘘はつかない!無理につくらない!
2つ書くといったところでもお伝えしましたが、嘘を書いたり、無理につくることはしないでください。もし、面接などで質問して答えられなければ、信頼を失ってその時点で採用は遠のきます。
NGな趣味
最後はNGな趣味についてお伝えします。基本的には公序良俗に反しないものは問題ありませんが、現実問題として趣味によって良い印象を持たれない場合があります。
完全NGな趣味
今までの経験上、完全にNGで意外と多くの人が書いてしまうのが人間観察です。これは批判的、評論家気質、独善的といった印象を与えてしまうのでどのような場合でもNGです。
業種や職種によってはOKな趣味
次は業種や職種によってはOKなものです。ただし、多くの場合で良い印象を持たれないので通常はNGだと考えて下さい。
- 競馬、パチンコ、競艇、麻雀などのギャンブル
- 漫画、ゲーム、アニメなどの娯楽
- コスプレ、アイドルといったポップカルチャー
- 飲酒、喫煙などの嗜好品
ただ、出版社では漫画、ゲーム会社ではゲーム等、その事業を行っている会社の応募においてはマイナスになりません。
履歴書の趣味のまとめ
最後の履歴書の趣味における内容を簡単にまとめます。
- 履歴書の趣味は人柄アピールに使える
- アピールする人柄は活動的、几帳面、感度が高いの3つがある
- キーワードと丸括弧で書く
- 人柄はフォーカスするポイントによって変えられる
- 会社によってNGがあるが人間観察は完全NG
多くの転職者が履歴書の趣味の欄を一言で書いています。いくら職務経験が重要とはいえ、やはり人が人を選ぶので人柄を重要です。もう一度自分の趣味を振り返って、お伝えした内容をもとに考えてみて下さい。