定義と工夫が大切!履歴書における通勤時間の書き方を解説

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「前の会社と同じ沿線だから通勤時間は大体40分位かな」、と特に何も考えずに書くことができる人は良いですが、状況によって次のような疑問を持つ人がいます。

  • 乗り換えの時間は考慮するのか?
  • 最寄り駅はバス停も含むのか?
  • 転居を予定しているがどう書けば良い?

今回は、そんな履歴書での通勤時間について通勤時間の定義や見られているポイント、履歴書への書き方、転居や複数勤務地募集など個別のケースまでを解説します。

通勤時間は何を見られているの?

履歴書の通勤時間で募集企業は何を判断しているのでしょうか?会社の規模や方針などによって様々ですが、広く考慮されている内容としては次に述べるような内容を気にしています。

交通費について

通勤交通費は人件費と考えられるため、対価という意味では企業側からしたら給与と同じです。同レベルの人材なら、中小企業で倹約志向の企業ではよりその負担が少ない人を採用したいのが常です。

もちろん数万円程度の違いよりも人材がもたらす価値の方が大きいとも思いますが、交通費が少ない人に比べ2倍もかかる人が10人、20人と増えていった場合、その費用で別の人を雇える金額になるのも事実です。

残業や休日出勤に対応できるか

通勤時間の関係で残業できる時間が限られる、遠方なため休日出勤ができないなども企業にとって考えてしまうポイントです。特に、少人数や受託系の企業に多いです。

長時間通勤による業務への影響

片道2時間電車に揺られて、出社する事が毎日続けば肉体的、精神的な負担が大きいです。家を出るのが数分遅れても、電車を逃し遅刻する恐れもあります。どちらにしても、本来の業務への影響が大きいです。

因みに、国土交通省が発表した次の研究では通勤手段に鉄道を利用した男性のストレスに関する影響が推測されています。

国土交通政策研究所(報告書概要)『交通の健康学的影響に関する研究 I』

一般的には片道90分が限度

大手インターネット調査会社のマクロミルは、東京・大阪における電車通勤通学者の半数以上が通勤通学に片道1時間以上かけていると発表しています。

無料調査レポート- HoNote by マクロミル『満員電車はもう嫌だ!』 電車での通勤・通学事情(東京・大阪編)』

わたしも多くの転職者や採用担当者、経営者のお話を聞いた限りでは、片道60分程度なら許容範囲内だが片道90分となると’長い’と感じるのが一般的だと思います。

このような通勤時間の前提を理解した上、具体的な定義や書き方、個別ケースについて解説していきます。

通勤時間の定義

ここでは、通勤時間の定義を行います。以下の定義に沿って、あなたの通勤時間を計算しましょう。

片道での最短ルート

履歴書に記入する通勤時間は、往復ではなく片道です。その上で、基本は最短のルートでの時間を記入します。地域や状況によって、例外もあるので具体的なポイントを説明します。

Door-To-Doorの時間

Door-To-Door(ドアツードア)は文字通り、家のドアを開けてから、目的地のドアまでを指します。マンションや会社のビルによっては、高層でもエレベータが1基しかなく、日常的に出勤時に何分も待つ場合はこれを加味しておくべきです。

ただ、自宅の状況はわかっても転職先の会社は建物の状況がわからないので一般的な感覚としてビルに入ってから1~2分程度と考えましょう。

できるだけ短くしようと、最寄り駅と自宅の時間を省く人がいますが、現実的な時間と乖離するので辞めましょう。

乗り換え時間や待ち時間はどうする?

基本は乗り換え時間や待ち時間は考慮しなくても良いです。同じ改札内移動や直結型の駅では、数分の違いです。待ち時間に関しても、公共の交通機関では遅延が無いとの認識で考えます。

ただあくまで基本で、現実は同じ駅名でも徒歩で10分以上歩くことや、道路など通勤時に日常的に渋滞がある地域もあります。数分程度なら考慮しなくても良いですがなるべく現実に沿った時間を記入して下さい。

寄り道は書かない

「朝は、コンビニによって朝食を買うので必ず5~10分必要なんですよ。」、と言っておられた方が過去におりましたが、そのような個人的な時間は加味しないで下さい。

通勤時間が長くなればなるほど、印象は悪くなります。そのような行動の時間は改めるか、出発時間をその分早めることで対応して下さい。通勤時間の概念としては含めないのが常識です。

通勤時間の書き方

それでは、具体的な通勤時間の書き方を説明します。

5分刻みで書く

通勤時間は、5分刻みで記入して下さい。37分などは40分か35分と記載して下さい。

最寄り駅を書くと丁寧

スペースがあり、書けるなら使用沿線含めた最寄駅を書けば担当者にとっては分かりやすく親切です。

最寄り駅:JR京浜東北線『蒲田駅』

最寄り駅の定義

勘違いされる人も多いですが、バス亭などは最寄り駅には含まれません。バスを記載する場合は、次のように最寄りのバス停と記載して下さい。

最寄りのバス停:東急バス『蒲田駅』

もし、履歴書に最寄り駅と記載がある場合は、あなたがバスでの通勤利用を希望していたとしても記入は鉄道の駅名にして下さい。また、そのままでは電車通勤だと思われるので、通勤方法などは面接などで確認することも必要です。

一般的なJIS規格の履歴書の場合は、時間のみ記載で補足するスペースもあるので、それを利用するのもひとつの手段です。変に記載があるからと書く内容を縛られなくてよいです。

通勤時間での個別ケース

最後に個別のケースの対応について説明します。

転居予定の場合

引っ越しなど現住所を転居する予定がある場合は、一言添えるべきです。2つのパターンが考えられるので、あなたの状況に沿った内容で記入して下さい。

転居先が決まっている場合

あらかじめ、転居先が決まっているならその転居先からの通勤時間を書いて、スペースに転居予定地からの通勤時間と記入しておきましょう。具体的には次のような一言を添えます。

10月10日予定の転居先での通勤時間

転居先が決まっていない場合

この場合は、通勤時間は空欄でも構いません。ただ、本人希望欄などで転居する予定があることが担当者に分かるように記載しておきましょう。でなければ、単純な記入漏れと思われてしまいます。

勤務地が未定でわからない場合

募集の求人内容に勤務地の指定がなく複数の勤務地が掲載されている場合や、地域や地区レベルにて勤務地が記載されている場合は通勤時間の欄は空欄で問題ありません。

そもそも、担当者は配属などを採用時に考慮することを理解しているので応募時点での通勤時間は気にしません。もし通勤時間を考えるにしても、現住所を見て担当者側で判断しています。

通勤時間が90分を超える場合

先にお伝えした通り、通勤時間が90分を超えると担当者の印象がよくありません。こればかりは、嘘をつくわけにもいかないので正直に時間を書いて、本人希望欄などで次のような内容を組み合せるなど補足する工夫が必要です。

  • 現職でも都内に90分かけて出勤しており3年間無遅刻/無欠勤です。
  • 遠距離ですが残業や早朝出勤も対応可能です。
  • 学生時代に勤務地のエリアに4年間通学しておりましたので、遠距離ですが通勤可能です。
  • 現在、転職後の勤務先に合わせた転居も検討中です。

履歴書の通勤時間に関するまとめ

通勤時間に関してその書き方を解説してきましたので、最後に簡単にまとめます。

  • 担当者は交通費、残業/休日出勤、業務負担を気にする
  • 基本は片道での最短ルートを書く
  • 5分刻みで最寄り駅を書くと丁寧
  • 転居予定は2つのパターンで考える
  • 勤務地が不明なら空欄でOK
  • 通勤時間が90分を超えるなら補足が必要

通勤時間は現実に即した内容にしておかなければ、後で大変になるのはあなたです。もしハンデがあるなら補足するなど履歴書でその内容をしっかりと伝えて下さい。