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多くの履歴書を見てきた経験から、住所欄が正確に書けない人は結構います。免許証の住所をそのまま記載したり、宅配便や通販サイトでの住所記入と同じ感覚で行っている人が多いのです。
また、連絡先欄をうまく活用している方を見ると履歴書における書類作成のポイントを良くわかっている方だと感心させられます。
今回、履歴書の住所について現住所、連絡先、ふりがなの3つの記入欄に分けて正確で担当者に分かりやすい書き方を解説します。
目次
住所を書く上で抑えておくべきポイント
まず具体的な個別の書き方の前に、全てに共通する抑えておくべきポイントを解説します。このページで解説しきれない非常に稀なケースもあると思いますが、そんな時も次のポイントを抑えておけば大丈夫です。
住所欄の3つの目的
履歴書の住所欄は何の為に記入させられるのでしょうか?それは次の3つの理由からです。
- 労務管理の為の名簿をつくるため
- 郵送物が確実に到着するため
- 書類上のビジネスマナーをチェックする
採用した人の履歴書をもとに労務管理を目的として名簿をつくる為です。昔は履歴書を保管して、それを見ていましたが、近年はパソコンにデータとして保存することが殆どです。
次に郵送物ですが、会社によっては合格通知を郵送で行う企業もあります。その為に現住所が必要になります。
最後はビジネスマナーです。これは近年少なくなっておりますが、担当者が年配の方、こまかい性格の方、書類作成を業務とする求人などでは書類選考で見られているポイントになります。
記載する上での基本方針
3つの目的に対して、あなたが履歴書を書くうえで次の2つの基本方針に沿って記入すれば殆どの場合大きな問題はありません。
- 住民票を基本に正確な住所を書く
- 省略を避け理解のしやすさを踏まえて書く
住民票はあなたの現住所を表す公的な書類です。これに沿って記載すれば、基本は問題はありません。もし住民票が無くとも、ハイフンの使用やマンション名など省略をする事を避ければ良いです。
ただし、公的な書類通りに記載して一般的なわかり易さがなくなれば履歴書の住所としてふさわしくありません。以降で基本方針に沿った具体的な書き方を解説します。
現住所は正確に
それでは具体的な記載について解説します。まずは現住所の欄になりますが、大きく分けて番地に関すること、数字に関すること、マンションやアパートなど建物名に関することの3つの視点で説明します。
番地はハイフンを使わず正式に
番地とは市町村区の後に続く数字の部分です。具体的には「◯◯県◯◯市◯◯区◯◯町1-10-3」の最後の数字の部分です。
普段の生活ではこの数字はハイフンでつないでいると思いますが、正式には「1丁目10番3号」などと漢字で表記します。ハイフンは省略での記載になりますので履歴書のマナーとしてはふさわしくありません。
住民票での記載に合わせた、「1丁目10番3号」などの記載をするようにして下さい。
例外的にハイフンがある場合
ただ注意事項があり、集合住宅などの場合は「◯丁目◯番1-402号」というのが住民票記載になっているのでその場合はハイフンの使用も問題ありません。詳しくは後でマンション名のところで述べます。
数字は一般常識が大切
住所を書く時の数字については、横書きの履歴書は「1丁目10番3号」などのアラビア数字、封筒などの縦書きは「一丁目十番三号」と漢数字を使用すれば書類としてのビジネスマナーは満たしております。
当たり前ですが、深く考えすぎて「六本木」や「五条」など地名自体が漢数字のものをアラビア数字にはしないで下さい。
その他、補足として住民票上では「一丁目10番3号」が正式な住所の場合がありますが、そこまで厳密になる必要はありません。むしろ担当者側が記載ミスと思うかもしれませんのでアラビア数字をおすすめします。
マンション名は省略しないで書く
マンション名やアパート名などの建物名は必ず省略しないで下さい。マンションが立ち並ぶ地域では配送ミスが無いとも言えません、加えて居住地としての建物名を書かないことはマナーとしてもNGです。
長い場合は2行に分けて書く
建物名を省略するのは住所が長くなって枠に収まらないからという理由が多いです。その場合は、2行に分けて書いて下さい。住所を1行名にマンション名は2行目から書くと収まりが良いです。
住民票よりも一般的な感覚を
住民票でも「1丁目10番3-203号 スターパレス」と記載されている住所もあります。その場合は、一般的な感覚を考慮して、「1丁目10番3 スターパレス203号」と記載した方が担当者にも分かりやすいです。
ふりがなにはマナーがある
次はふりがなの欄についてになります。小さい部分ですが、以外に悩む人が多いのがこのふりがなです。全てを記載するのはビジネス上のマナーとしては好ましくないので、しっかりと理解して下さい。
本来の目的を忘れずに
ふりがをふる本来の意味は、日本にある様々な地名において読み手が理解できるようにするためです。迷ったらその事を基本と考えて下さい。
「ふりがな」はひらがなで、「フリガナ」はカタカナで書く
これは一般常識の範囲ですが、「ふりがな」と記載されていた場合はひらがなで書いて下さい。「フリガナ」と記載されていた場合はカタカナで書いて下さい。
ふりがなは番地の前まで
ふりがなは番地の前まででOKです。「◯◯県◯◯市◯◯区◯◯町1丁目10番3号」では「◯◯県◯◯市◯◯区◯◯町」の部分です。数字や丁目、番、号などは通常一般化した読み方があるためふりがなは不要です。
ひらがなやカタカナでも必要
「あきる野市」や「南アルプス市」などのひらがな、カタカナの場合でもふりがなをふりましょう。これには2つの理由があります。
ふりがなに間が空くから
例えば、「東京都あきる野市二宮」という住所で、「あきる」という文字にふりがなを振らない場合、読み手側はふりがなと漢字の対応関係を考えながら読むことになり見づらくなるからです。
名前の欄と統一させる
名前の欄でひらがな、カタカナにもふりがなをふるので書類の作成マナーとして表記を統一させるためです。名前に関してのふりがなについては下記で説明しております。
マンション名にふりがなをふるべきか?
マンション名やアパート名にて読み方に悩む漢字や外国語があった場合にふりがなをふるべきか迷う方がいます。私個人の経験や意見としては、書いても良いが必要性は低いというのが結論です。
連絡先が同上ではもったいない
最後に、現住所欄の下に記載されている連絡先の欄です。ここは体裁を気にするよりも、現実的な転職活動を見据えて利用しましょう。
特になければ同上にしておく
特にその他の連絡先がなければ記載するのはおすすめしません。転職活動において、この欄に連絡があった場合に連絡先の当人に記載したことを伝え、企業への対応含め速やかにあなたに連絡をくれる確約をとる必要があるからです。
実際、電話番号欄に記載した携帯電話につながらなければ、実家の住所や電話番号を記載しても同じように連絡はとれないでしょう。むしろ、実家などで応募企業に対して的確な対応が可能かというと疑問が残ります。
そこで、現実的な対応としては現住所と同じという意味で、「同上」と記載することになります。
ただ、労務管理の側面から緊急連絡先としての用途も考えられますが、その場合は入社後に伝えればよいと思います。むしろ、ここでは選考における連絡手段として考えた方が良いです。
メールアドレスを記載するのがおすすめ
私としておすすめなのが、「Eメールアドレス:◯◯◯@gmail.com」とメールアドレスを記載することです。実は、市販で良く売れている履歴書にはメールアドレス欄が無いものも多いです。
タイトなスケジュールでない場合は応募企業としてもメールを送って返信を待つ方が、担当者にとっても負担が少ないです。
まとめ
住所欄について解説してきました。最後に簡単にまとめておきます。
- 郵送物、労務管理、ビジネスマナーの3つの目的がある
- 住民票の記載通りに書けば間違いない
- ハイフンの使用やマンション名など省略はしない
- ふりがなは市町村区までで平仮名とカタカナに気をつける
- 連絡先は同上でも良いがメールアドレスや転居予定などにも使える
住民票が正確であるとはお伝えしましたが、記事内では必ずしもその通りに記載すべきで無いともお伝えしました。大切なことは、正確性とビジネスマナーの両立です。
正確であることを踏まえて、相手が理解できビジネスマナーとして問題がない書き方をして下さい。