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転職における履歴書の本人希望欄は採用者側からすると、応募者にネガティブな印象を持たせやすい項目です。それは、主に次の2つが理由になっています。
- 会ったことも無い応募者から一方的に伝えられる為
- 採用側にとっては配慮しなければならない為
今回はそんな本人希望欄に関して基本的な書き方をはじめ、希望の職種や勤務地、給与といった具体的な内容、さらに在職中の転職者ならではの問題などを解説します。
実際、自分の希望をどう書けば失礼にあたらず伝えられるかと不安に思っている方は、是非最後まで読んで下さい。
目次
本人希望欄の書き方
まずは具体的な書き方をお伝えする前に、本人希望欄を書く上で必ず理解しておくべき点をお伝えします。
希望でなく絶対条件
「希望」という言葉から誤解しやすいですが、本人希望欄にはあなたが絶対に譲れない条件のみを記載して下さい。具体的に言うと、その希望が叶えられなければ入社しないという事です。
例えば、親の介護で転勤ができない等といった理由です。全国転勤の可能性がある募集の場合、内定が出ても実際に勤務できなければ意味がありません。
本人希望欄では、そのような絶対条件のみを記載するのです。間違っても30万は給与は欲しいな、働くなら東京だな、といった根拠の無い理由で希望を記入しないで下さい。
この前提を踏まえて以降で、具体的な書き方をお伝えします。
希望項目と希望内容はコロンでつなぐ
余程慣れていない担当者でない限り、履歴書は読まれるのに1分も時間をかけません。ですので、簡潔に見やすく書くことを心がけて下さい。希望項目と希望内容はコロンでつなぐことで分かりやすくします。
加えて、罫線のある書式でもフリースペースでもひとつの項目は1行にして下さい。もし補足等の文章が必要なら希望内容の後に丸括弧などで内容を補足して下さい。
具体的には次のように記載して下さい。
希望職種:企画営業
希望給与:貴社規定に準じます
希望勤務地:東京勤務希望(親の介護が必要なため転居を伴わない配属を希望いたします)
条件に幅を持たせる
次に、希望内容について幅を持たせた表現にして下さい。面接と違って、書類は一方的な提示になるので担当者はその言葉に対してYESかNOを決めます。例えば、次のような話がありました。
神奈川県在住のKさんは全国転勤の可能性がある求人に応募しました。大手で給与や福利厚生も良いので、Kさんは転勤になっても入社できるならいいと割り切っていました。
奥さんとも話し合い、交渉できるなら転勤なしが良いけど無理なら仕方ないとOKを貰いました。Kさんはできるならと、履歴書には「首都圏勤務希望」と書きました。
しかし、人事その履歴書を見て、「うちの会社は実際は少ないけどみんな全国転勤覚悟で働いてるからなぁ、首都圏勤務希望では条件に合わないな」と不採用にしたのです。
この話からもわかるように、書類はその言葉で勝手に判断されます。面接と違って担当者の反応を伺うこともできません。
そこで、括弧にて「転勤可能」など希望を出しつつも補足するような幅を持たせた書き方を意識しましょう。なお、勤務地はじめ具体的な幅を持たせた内容は以降の個別の項目で解説していますので、引き続きご確認下さい。
「なし」や空欄は書き忘れや意欲を疑われる
第二新卒や30歳未満の若手の方などは特に希望条件など無い方も多いです。そこで、本人希望欄に「特になし」と記載したり、空白のまま提出する方がいますが、それはやめてください。
空白は記入を忘れた可能性を疑われますし、「特になし」では意欲が無い印象を与えます。そこで、次のように応募する職種を、希望職種として記載して下さい。これならどのような方でも書くことができます。
希望職種:法人営業
加えて、希望職種は明記する必要性がありますが、その理由は次の具体的な項目である希望職種の解説でお伝えします。
あえて攻める本人希望欄
意欲が感じられないとお伝えしましたが、逆にこちら側の条件を伝えて意欲をアピールすることもできます。例えば、食品商社などの企業では残業や不意な土日出勤が多い会社もあるので次のように記載してみます。
希望職種:営業職
土・日出勤や残業など、不規則な勤務でも対応可能です。
業界にいれば当たり前のことでも、いざ文章にするとやる気を感じさせます。未経験や若手など、経験面で不利な方はこのようにやる気をアピールするのも効果的です。
希望職種は必ず募集職種名に合せる
ここからは具体的な希望項目について解説します。まずは、希望職種です。
先程、この希望職種は明記する必要があるとお伝えしました。その理由は、会社によっては中途採用は様々な職種で募集しており、受付体制によっては、どの応募か分からない場合があるからです。
例えば、営業経験者がキャリアチェンジで事務職に応募したが、その会社では両職種とも募集していたので経歴だけ見て営業に応募してきたと思われ面接で間違いだったと分かったという話も実際あります。
そのような事が無いためにも、希望職種は必ず明記して下さい。
その際に、希望職種名は求人票に記載してある職種名と同じにして下さい。例えば、内容が保険営業でも募集広告で保険プランナーと記載があれば、希望職種は保険プランナーと書いて下さい。
希望勤務地は補足で条件を広げる
次に、希望勤務地です。特に希望がなければ、次のように貴貴社配属に従いますと記載して下さい。
希望勤務地:貴社配属に従います
先程もお伝えしましが、希望を書く場合はその希望勤務地しか受け入れないと思われるリスクがあります。そこで、次のように記載して下さい。
希望勤務地:首都圏勤務希望(全国転勤可能)
これは関東圏の方を見本に考えていますが、まず東京や神奈川などの具体的な地名ではなく、可能な限り広いエリアでの希望を書いて下さい。合わせて全国転勤も可能と補足する事で、即不採用をさける事ができます。
ただし、実際に介護などで転居が難しい場合は次のように記載して下さい。
希望勤務地:首都圏勤務希望(親の介護が必要なため転居を伴わない配属を希望いたします)
今度は、転勤はできない理由を括弧で補足します。この事例でも首都圏と広いエリアを記載することで、東京などピンポイントでは不採用でもその他でのチャンスが広がります。
ただ、重要なことはまず事前に応募企業の支店や店舗など勤務地は必ずチェックすることです。首都圏の定義は、群馬や山梨を含む場合があるので、当初の思惑と違ってくる可能性があるからです。
希望給与は危険です
希望給与については、貴社規定に準ずるを基本として下さい。日本の転職シーンにおいて事前の給与交渉はまだ浸透しておりません。むしろ、マイナスイメージを与える方が多いです。
ただ、中高年以上の場合は実際に家族や住宅ローンなどの問題があるので記載することが絶対にNGという訳ではありません。その場合は次のように記載して下さい。
希望給与:年収600万円を希望(前職を考慮した金額なので可能でしたらご相談させて下さい)
ただ、正直危険なのでその場合は、応募を転職エージェントからにして下さい。エージェント経由でしたら、応募前に実際の給与の相場や応募企業の具体的な給与例なども分かります。
何より、内定後に給与交渉を行ってくれるので自分で交渉する必要がありません。
在職中の場合で気をつける点
さて、最後に在職中の場合で本人希望欄にて気をつけるポイントをお伝えします。
連絡に関する事項を書く場合
在職中の場合、応募企業からの連絡にすぐに対応できない場合があります。現在は携帯電話などに掛かってくるので、その場合にこの項目を使って、次のように記載することも可能です。
在職中のため、平日9:00~18:00のご連絡はメールでいただけると幸いです。
☓☓@☓☓.net
ただ、この内容は住所欄の下にある連絡先欄に記載した方が良いです。電話番号なども視線に入る位置にあり、担当者によっては連絡する時に電話番号を見て本人希望欄を見落とす人もいるからです。
詳しくは次のページにも書いております。
入社希望日は記載がなければ書かない
たまに、ご自分から入社希望日を書く人がいます。今の仕事の関係で、退職が何ヶ月か先になるので書く場合などもありますが、何か理由がなければ在職中だからといって、入社希望日は書かないほうが良いです。
どうしても書く必要があるなら、1~2ヶ月内で考えて下さい。その位が一般的な入社までのリミットです。ただ、会社側が欲しいと思った人材なら3ヶ月待つという会社もあるので、一概には言えません。
次のような募集の場合は、1ヶ月以内での入社を求める事が多いので気をつけて下さい。求人広告での募集、中小企業での事務職や経理職、店舗における販売や接客、肉体楼のいわゆるガテン系と呼ばれる職種、単純作業を行う職種。
どうしても書く場合は次のように記載して下さい。
10月10日を予定(可能でしたらご相談させてください)
履歴書の本人希望欄まとめ
本人希望欄について解説してきました。最後に簡単にまとめてみます。
- 本人希望欄は絶対条件のみ記入
- コロンで区切って見やすくする
- 希望内容によっては補足を入れる
- 希望職種は必ず募集職種名で書く
- 希望勤務地は補足で幅を持たす
- 希望給与はなるべく書かない
ネガティブな印象を与える本人希望欄だからこそ、書き方を工夫して応募企業の採用意欲を削ぐことが無いようにしましょう。