職務経歴書での実績の書き方

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職務経歴書での実績は、転職者の即戦力性をあらわす重要なポイントです。
企業は求人募集するうえで成果を生みだせる人を採用したいと思っているため、職務経歴書において仕事の実績は必ず記載すべきです。

しかし普段、自分の職務上の実績を文字にするコトは無いため、いざ職務経歴書で実績を書く必要に迫られても、そもそも何をどのように書けば良いか分からない転職者が多いです。

今回は職務経歴書における実績について、そもそも何を実績として書くべきか、どのように書けば担当者に響くかについて解説します。

書くべき実績は5つに分類される

まず職務経歴書では何を実績として書くべきかについて説明したいと思います。

世の中には営業、エンジニア、管理専門職など様々な職種がありますが、どのような職種においても職務経歴書でアピールすべき実績は次の5つに集約されます。

  • 増やした実績
  • 減らした実績
  • 生み出した実績
  • 変えた実績
  • 管理した実績

それぞれどのような実績なのか、具体的な事例も含めて説明したいと思います。

増やした実績

増やした実績とは、文字通り仕事においてあなたが何かを増やした実績というコトです。

最もわかりやすいのは営業職や販売職における売上数字ですが、新規営業の場合はアポ数やアポ率を増やしたコトも実績となりえます。

管理系専門職などにおいて、人事職では少なかった採用人数を増やした、総務では低かった福利厚生利用率を増やしたといったコトも実績と考えられます。

その他マーケティングや販促などでは売上はもちろん、問い合わせ数なども反響を測る1つの指標になるので実績と考えるコトもできます。

自社のWEBサイトやソーシャルメディアの運営に関わるWEBプロデューサー、WEBディレクター、WEBデザイナーなどの場合は売上だけでなく、アクセス数や滞在時間といった指標も実績と捉えられます。

最終的な売上実績以外にも最終的な成果につながるアポ数、問い合わせ数、利用数や利用時間なども実績と考える事でアピールポイントは広がります。

減らした実績

減らした実績は増やした実績とは逆に、仕事においてあなたが何かを減らした内容です。

最も分かりやすいのは管理系専門職での経費削減です。例えば、取引先の選定や業務見直しで例年に比べて備品購入費用を減らしたといったコトが実績として考えられます。

エンジニア系職でも減らした実績は評価の対象となります。
IT系ならシステムパフォーマンスを表すCPUやメモリの使用率、レスポンスタイム、負荷率などを減らすことはエンジニアとしての実績になりますし、製造系ならロス率、不良品率を減らすコトが実績になります。

決まった枠組みの中で効率性を追求する職種では、何かを減らしたというコトは実績として評価されます。

生み出した実績

生み出した実績とは、増やした実績と混同しがちですが、何か新しいものを生み出した実績と考えて下さい。

イメージしやすいのは開発系エンジニアをはじめ、マーケティング・経営企画などの企画専門職です。新製品や新サービスなど新たに生み出した内容が実績となります。
プランナーやデザイナーといった職種も、新たに生み出した内容が実績として評価される職種です。

百貨店や専門店のバイヤーなども新たな商品を見つけ出しヒットさせたなら実績としてアピールすることもできます。

しかし一般的に花形といわれる職種でなくとも、仕事の新しい仕組みづくりを考え生み出したなら、それも実績と考えられます。
例えばメールを使った新しい営業手法を考え実行した、業務フローをドキュメント化してまとめた、といったコトも仕事の仕組みづくりという点で、十分に実績となりえます。

変えた実績

変えた実績とは、主に業務改善と考えて下さい。

例えばExcelで申請書類フォーマットを作成し残業や交通費申請を効率化した実績や社内でグループウェアを導入するため部署を超えて業務フローをまとめ利用に関する勉強会を開いたといった内容も実績として考えられます。

何かを減らした実績や何かを生み出した実績と重複する部分もありますが、管理系専門職や事務職ではこのような業務改善の実績は非常に評価されやすい内容です。

管理した実績

管理した実績とは文字通りマネジメント経験での実績です。特に30代になると、マネジメント実績を求める企業も多いため必須のアピールポイントになります。

20代でもチームリーダーや後輩の教育係になっていれば、その内容を実績としてアピールできます。IT系では下請けや協力会社に対するハンドリングもマネジメント実績として見てくる企業もあります。

分かりやすくマネジメント実績を伝えるにはマネジメントした人数や内容を表記するコトです。チーム・部門での目標達成率はもちろん、マネジメントした人材の達成率も実績としてアピールできる材料となります。

目的を持って行動した内容が実績

5つの実績について説明しましたが忘れないで欲しいのは、実績とは目的を持ち行動した結果であるという点です。

転職エージェントとして相談を受けていると、営業職だったが売上目標を達成できていないので実績が無い、経理や人事といった管理系専門職だったので数値目標が無く実績が無い、といったコトをよく聞きます。

しかし会社で示された目標を達成したことだけが実績ではありません。新規アポ数が少ないのでリストを見直し、営業トークや時間帯を工夫したコトでアポ数が増えたといったコトも立派な実績です。

重要なコトはあなたが何を考え、どのように行動したかであり、実績はその結果というだけです。

実際に採用担当者は転職者が書いた実績をそのまま信じることは無く、新しい会社で同じような実績が出せるかその再現性を知りたいのです。

そのために面接では何を考え、どう行動したかを深掘りして聞いてきます。そこで納得できる内容を伝えられなければ、いくら実績があっても採用担当者は内定を出しません。

仕事における最終成果にとらわれず、先に伝えた5つの実績を参考に、何を考え、どう行動したかをしっかりと伝えられる内容を実績と考えてください。

担当者に響く実績の書き方

さて、どのような内容を実績としてアピールすれば良いか分かったところで、次は実績を書く上でのテクニックを紹介したいと思います。
次に紹介する3つのポイントを押さえるだけで、担当者に響く実績が書けるようになります。

数字を使って信憑性と経営感覚をアピール

最も重要なポイントは数字を利用するコトです。営業や販売などは売上数字が実績を表すので特に意識する必要はありませんが、管理系専門職や事務職などは数値で表しづらい面があるため注意が必要です。

例えば、良くやってしまうのが次のような内容です。

申請書作成と申請フローのドキュメント化により業務効率化を実現

本人としては申請書を作成し、フローをドキュメント化する上で様々な努力をして業務を効率化したので、実績としてアピールしたいと思っていますが、もこれでは担当者に伝わりません。

数字を入れるだけでより実績としては強いアピールが可能となります。

申請書作成と申請フローのドキュメント化により申請遅延を約60%削減

業務効率化を申請遅延60%削減としただけでも、読み手の印象は全く違います。数字にすることで信憑性が増し具体的なイメージがしやすいという点がありますが、それ以上に担当者が感じることがあります。

それは仕事に対する成果への意識です。仕事を定量化できる数字で理解している人材は、経営的視点を持ち合わせている印象を担当者にあたえるのです。

自分の実績を数字で表せるように、いま一度振り返ってみてください。それだけで実績の信憑性や職務に対する意識の違いが職務経歴書から感じられるようになります。

期間を明記すれば取組むイメージが湧く

数字を使用するコトでより具体的になりましたが、実績をあげた期間を伝えるコトで、実績に対する取り組みイメージが鮮明になります。

例えば営業や販売は、企業によって売上目標の期間設定が違います。1ヶ月単位で目標設定をする会社もあれば、3ヶ月単位、半年単位、1年単位の会社もあります。

この期間も合わせて明記するだけで、どれ位のスピード感で職務に取り組んでいたかがイメージしやすくなります。
さらに直近の実績だけでなく、期間を区切って複数期間の実績を掲載するコトで、平均的な実績がわかり担当者としてはよりイメージがつきやすいです。

業務改善や新製品の開発などは期間の長さにより、スピード感があるのか、じっくり取組むのかといった違いがあるため、読み手の印象も全く変わってきます。

実績に対する取り組みをイメージできるようにするため、実績には期間も合わせて記載してください。

比較すると実績が際立つ

最後に実績を比較するというポイントも忘れないでください。
例えば売上達成率が110%と記載されていても、そもそも目標数値が低かったのではないかと思われるコトもあります。そこで営業200名中7番目と合わせて記載するコトで、より実績が際立つのです。

これは全体と自分を比較した例ですが、その他に前年比といったように以前と比べてどの位伸びたか、削減したかという比較も有効です。

異業種や異職種などの未経験分野へ応募する場合などは、担当者があなたの業界に詳しいと限りません。その場合でも、分かりやすい比較対象を明記すれば、実績に対する評価がつけやすいです。