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職務経歴書において企業側がもっとも注意して見る箇所は、文字通り職務経歴欄です。
この職務経歴欄には、いくつかの書き方のフォーマットがあります。
今回は多くの職務経歴書で採用されている書き方である、編年体式について解説したいと思います。
実際の具体例を見ながら編年体式の基本的な説明、編年体式で書くコトのメリット・デメリット、どんな転職者に向いているのか、さらに書類選考を通過する編年体式の書き方についても解説します。
目次
職務経歴書の編年体式とは?
編年体式(へんねんたいしき)とは、職務経歴欄における書き方のフォーマットであり、最も利用されている書き方です。
ここで勘違いをしないで欲しいコトがあります、それは職務経歴書のフォーマットではなく、職務経歴欄のフォーマットであるという点です。
職務経歴書には記載すべき4つの項目があり、それは職務要約、職務経歴、活かせる経験・スキル、自己PRの4つです。
この4項目で最も重要な部分が職務経歴欄であり、この職務経歴欄におけるフォーマットとして編年体式というものがあるのです。
編年体式はあなたの過去の職務経歴を社会人になってから順に時系列として並べた書き方です。
実際に営業職の職務経歴欄について編年体式で書いたのが次のものです。
■職務経歴
2012年4月~2017年5月 株式会社マルマル
事業内容:転職サイトの運営/人材紹介事業 資本金:1000万円 従業員数:500名
期間 | 業務内容 |
---|---|
2012年4月~2017年5月 | メディア事業部 第一営業課 (所属メンバー50名) |
中小企業を中心とした転職サイトにおける求人広告の営業。新規開拓、顧客提案、フォロー営業を担当。
|
このように表組みで表現すれば、非常にスッキリと職務経歴を表すコトができます。
ここでは職務経歴欄だけ抜粋していますが、その他の項目として「職務要約」、「活かせる経験・スキル」、「自己PR」もあるので「職務経歴」という項目タイトルは■をつけ太字にするコトで職務経歴欄のエリアだと意識させます。
さらに表組みで職務経歴を書く前に所属する企業情報を記載します。主に在籍期間、会社名、事業内容、資本金、従業員数といった内容を記載するコトで、あなたがどのような環境で働いていたかを伝えられます。
具体的な職務経歴としては表組みの中で、新卒入社した企業から現在までを、順番に時系列に並べています。
これとは逆の順番で現在の職務経歴が最初にきて、過去にさかのぼって記載する逆編年体式(ぎゃくへんねんたいしき)というものもありますが、それは別の機会に解説します。
今回はあくまで、社会人になってから現在までを時系列に表現する編年体式に絞って解説していきます。
編年体式のメリット・デメリット
まず編年体式のメリット・デメリットについて説明します。
社会人になってからの職務経歴を時系列で表している為にメリット・デメリットは表裏一体となっています。
最大のメリットはシンプルな分かりやすさ
編年体式を採用するメリットは次の3点になります。
- 時系列に沿っているので職歴が理解しやすい
- 多くの職務経歴書で利用されており採用側も見慣れている
- 転職者のキャリアストーリーや成長が伝わりやすい
編年体式は職務経歴について1から表していくことになるため、非常にシンプルで分かりやすく職務経歴欄の書き方としては最も普及している書き方なのです。
転職サイトをはじめとしたネット上にある参考例の多くも編年体式で書かれているコトが多く、企業の採用担当者も見慣れた形になります。
さらに社会人から現在までのあなたの歴史を表しているので、どのように成長してきたかといったキャリアストーリーが見えやすい点もポイントです。
デメリットはアピール力が弱いコト
デメリットは次の3点となり、まさにメリットの裏返しとなっています。
- 情報の羅列になるためメリハリがなく冗長になりがち
- 職歴が同列になるためアピールポイントが分かりづらい
- 他の転職者との差別化が図りづらい
シンプルで分かりやすい反面、職務経歴としては情報の羅列になってしまい文章として間延びした印象を受けてしまいます。
さらに全ての情報が同列で表現されるためポイントが分かりづらくなるのです。そのため自分の強みや売りをアピールし、他の転職者と強烈に差別化を図るコトが難しいフォーマットであると言えます。
どんな転職者に向いている?
社会人になってから現在まで時系列に表すため職務経歴はシンプルで分かりやすいですが、アピールポイントは分かりづらいという編年体式は、どのような転職者に向いているのでしょうか?
最もおすすめなのが職務経験が少なく、キャリアがシンプルである第二新卒や20代の若手転職者です。社会人から現在までの期間が短く、社会人として成長期に当たるので編年体式のメリットを活かしやすいです。
さらに異動、転職、職務の変化などが少ない30代中盤までの方にもおすすめです。新人から中堅へと成長するさまが職務経歴で表現しやすく、着実に力をつけてきた印象を与えます。
職種や業種に関してもオールマイティーに対応可能なので、書き方で迷うようならこの編年体式を採用しておけば間違いありません。
しかし転職回数が多い方や職務内容の変化が激しい方は、編年体式特有のデメリットによりマイナス部分が大きくなるため逆編年体式、キャリア式といった別のフォーマットを採用した方が良い場合もあります。
書類選考に通過する編年体式の書き方
最後に編年体式を使って職務経歴欄を書く場合、書類選考を通過する書き方のポイントについてお伝えします。
次の3つのポイントに注意して書けば、採用担当者に分かりやすく強いアピールが可能となり、書類選考の通過率もアップします。以降でそれぞれについて解説していきたいと思います。
- 在籍した会社単位で表組みにする
- 部署や職務内容毎に同じ体裁を保つ
- 活かせる経験・スキル欄や自己PR欄との連携
在籍した会社単位で表組みにする
編年体式では職務経歴の単位は所属した企業毎に表します。具体例を含めて説明しましたが、表組みにて職務経歴を書く前に所属企業の情報を記載します。
この企業情報と表組みの職務経歴セットを1つの単位と考えるため、転職を経験している方はその回数に合わせてこのセットが増えていきます。
編年体式においては時系列での説明になるため、企業毎に情報を区分しなければ、担当者にとって分かりづらい内容となるため注意して下さい。
転職経験が1回ある場合は次のように書いてください。編年体式なので先にくるのは新卒で入社した会社となります。
■職務経歴
2012年4月~2014年6月 株式会社マルマル
事業内容:転職サイトの運営/人材紹介事業 資本金:1000万円 従業員数:500名
期間 | 業務内容 |
---|---|
2012年4月~2014年6月 | メディア事業部 第一営業課 (所属メンバー25名) |
中小企業を中心とした転職サイトにおける求人広告の営業。新規開拓、顧客提案、フォロー営業を担当。
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2014年7月~2017年5月 株式会社バツバツ
事業内容:事務職を中心とした人材派遣業 資本金:1000万円 従業員数:1000名
期間 | 業務内容 |
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2014年7月~2017年5月 | 第4派遣事業部 (所属メンバー30名) |
大手・中小企業に対する人材派遣の営業職。新規開拓、顧客フォロー営業、派遣スタッフのフォローを担当。
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部署や職務内容毎に同じ体裁を保つ
転職をしていなくとも同じ会社内で異動や転勤があった場合は、職務内容が変わります。その場合は表組みを増やすことで、新たな職務経歴を追加してください。
ここで注意する点は複数ある職務経歴の表現の仕方をできるだけ統一するコトです。
例えば入社時の職務経歴では「顧客」、「商品」、「営業方法」、「実績」に分けて記載したにも関わらず、異動した部署の職務経歴では「顧客」、「担当地域」、「商品」、「実績」と項目を変えて書くコトはやめてください。
採用担当者が編年体式の職務経歴を見る時は、無意識に担当職務を比較しながら理解していきます。記載している項目が変わってしまうと、読み手に分かりづらい内容となってしまいます。
さらに編年体式の長所である、『キャリアにおける成長が見える』という優位性が無くなってしまいます。ビジネス文書としても情報の規則性は非常に重要なポイントなので必ず押さえておいて下さい。
これらを踏まえて、同じ企業で異動をした場合の事例を次に掲載しますので良く見てください。
■職務経歴
2012年4月~2014年6月 株式会社マルマル
事業内容:転職サイトの運営/人材紹介事業 資本金:1000万円 従業員数:500名
期間 | 業務内容 |
---|---|
2012年4月~2014年6月 | メディア事業部 第一営業課 (所属メンバー25名) |
中小企業を中心とした転職サイトにおける求人広告の営業。新規開拓、顧客提案、フォロー営業を担当。
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2014年7月~2017年5月 | メディア事業部 第四営業課 (所属メンバー25名) |
飲食店を中心とした求人フリーペーパー『バツー』における求人広告の営業。新規開拓、求人広告作成、フォロー営業を担当。
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活かせる経験・スキル欄や自己PR欄との連携
ここまで編年体式を採用した職務経歴欄の書き方について説明してきましたが、職務経歴書の目的は採用担当者にあなたをアピールすることです。
そこで忘れてはならないのが、活かせる経験・スキル欄や自己PR欄などの項目と職務経歴欄の内容を連携させアピールする点にブレが無いようにするコトです。
デメリットでもお伝えした通り、編年体式はポイントが分かりづらく、あなたの強みや売りをアピールしきれない可能性があります。そこで職務経歴に記載した内容と、活かせる経験・スキル欄や自己PR欄でアピールする内容を合わせるのです。
例えば活かせる経験・スキル欄で新規開拓営業の経験をアピールするなら、職務経歴の中でもテレアポ件数や訪問件数、リストづくりの工夫などをキーワードとして書いておくことで職務経歴書全体として説得力が出てくるのです。
できるだけ幅広い情報を伝えようと思って、職務経歴欄では顧客提案スタイルや資料作りについて書いた場合、全体としてアピールポイントが分散されて説得力の少ない職務経歴書となってしまいます。
編年体式の弱点をカバーしつつ、職務経歴書としての完成度を高めるためにも必ず他の項目との連携を忘れないでください。