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職務経歴書において担当者がもっとも注意を払うのは、職務経歴欄の業務内容の部分です。
業務内容はあなたの過去の仕事内容を記載する箇所であり、採用担当者は自社の仕事を任せて成果を出せる人物かどうかを、この業務内容から判断します。
ただ、いきなり過去の業務内容を書けと言われても中々上手くいきません。しかし文章作成やプレゼンで使う5W+2Hという整理テクニックを使えば、驚くほど簡単に採用担当者が理解しやすい業務内容を書くコトができるのです。
今回は業務内容について、この5W+2Hという整理テクニックを使った書き方について解説します。
目次
書くべき内容は5W+2H
そもそも5W+2Hとは、文書作成時に物事の事象を説明するために押さえておくべき項目のことであり、各項目における英単語の頭文字を表したものです。
具体的には次の8項目になります。
- Who(誰が/誰に/誰と)
- What(何)
- Why(なぜ)
- When(いつ)
- Where(どこ)
- How(どのように)
- How much(いくら)
例えばあなたが旅行に行ったとして、それを誰かに伝える時に、この8つの項目について説明すれば、あなたが旅行に行ったコトについて相手の理解が深まるのです。
5W+2Hを使って、あなたが旅行に行った内容を伝える場合は次のようになります。
私(誰が)、この間の週末(いつ)に旅行(何)へ行ったの。後輩のひろ子(誰と)も行ってみたいっていうから、京都の右京区にある龍安寺(どこ)へ行ったの。
私もひろ子もお寺が好きだから(なぜ)盛り上がっちゃって、金曜日仕事が終わってからすぐに新幹線に乗って(どのように)行ったの!前もって調べてなかったから交通費やホテル代で3万円(いくら)もかかっちゃった!
これは日常会話で使う例ですが、職務経歴書における業務内容も5W+2Hの項目を押さえるだけで、モレなくポイントが伝わります。
How much(いくら)を除いた5W+1Hという形もありますが、業務内容においては成果を数字で表す必要があるので5W+2Hの方が適切です。
以降では業務内容における5W+2Hについて解説していきます。
「誰」は顧客だけでなくメンバーや協力会社も重要
「誰」という視点においては、価値を与える側か提供する側かで次の2つがあります。
与える側としては顧客であり、あなたがサービスや商品を提供する側で、与える側はあなたと共に職務を遂行するチームメンバー、協力会社、社内の別部署などがあります。
どちらもあなたの業務内容を説明する上では、伝えておくべき項目となります。この2つの「誰」について説明したいと思います。
顧客は具体的に
仕事は誰かに価値を提供して、その対価として報酬を貰います。つまり、業務内容において職務の提供先である「誰」という視点は非常に重要なポイントです。
特に営業、コンサル、販売、SE、プロデューサー、制作ディレクター、コーディネイター、カウンセラーといった顧客とのコミュニケーションが業務において重要な職種では、その対応経験がそのまま次の転職先にも活かせる場合が多いからです。
この際、顧客項目については具体的な属性や担当数を明記することで相手に、あなたの経験や能力をアピールするコトができます。
例えば次のように記載するコトで担当者にあなたの業務内容を詳しく伝えることができます。
【担当顧客】300~1000名規模の法人を担当(約200社を担当)
【交渉相手】情報システム部門(CTOクラス:3割/部長クラス:6割/課長クラス:1割)
【顧客層】50代を中心とした平均年収2000万円以上の富裕層(主に経営者や医師)
協力者は連携内容を深掘りする
「誰」のもう1つの視点はチームメンバー、別部署、協力会社といった職務提供における協力者です。
特に金額が大きく関わる人員が多い法人向けの職種に従事している場合や、特定の専門的な職務に従事している場合は、1人で仕事が完結しない場合が多く、自然と多くの人と仕事を進めることになります。
具体的には製造・IT・建築・プラント系のエンジニア、デザイナー、研究職、経理・人事・総務といった管理部門などの職種です。
さらに法人営業、コンサル、SE、PM、プロデューサー、制作ディレクターといった職種も様々な協力者と連携するコトが多いです。
このような職種を募集する企業の多くは社内外含め、様々な職種や立場の人と上手くやっていける能力を非常に重要視しているため、どのように連携してきたかを深掘りして説明するコトが効果的なアピールにつながります。
例えば次のように記載するコトで担当者はあなたの仕事ぶりをイメージしやすくなります。
【協力会社との連携業務】管理ツールでの制作進行管理、週一回打合せのファシリテーション、協力会社との契約交渉
【他部署との連携】別部署との同行営業、共同キャンペーン資料作成、打合せや勉強会といった協力体制づくり
「何」は商品や役務
「何」という項目は営業・販売などの場合は提供する商品内容であり、エンジニア・管理部門職・コンサルなどでは提供する役務内容がそれに該当します。
商品に関しては価格が1つのポイントであり、それに合わせて具体的な商品特徴を明記するコトで担当者に扱っている商品をイメージさせます。
役務提供が種となるエンジニア・管理部門職・コンサルについては役務や業務をキーワードで表現し、どこまで携わっていたかを明記するコトが重要です。
【取引商品】正社員求人サイト『ジョブジョブ』における広告枠(平均単価40万)
【職務内容】
- 会計伝票入力
- 月次決算資料作成
- 年次・中間決算資料作成
- 試算表作成
- 税務申告書作成
「なぜ」は「なに」を補足する役割
「なぜ」という項目は単独で存在しアピールするのでなく、先ほどの「何」の部分を補足する内容として記載します。
「なぜ」という言葉は、その存在理由や目的を表す言葉です。商品・サービスや役務においては、次のように補足説明的な要素として明記すると良いです。
商品・サービスや役務内容を補足することで、どのような領域や分野において経験や強みがあるのかが理解しやすくなるのです。
【取扱商品】30代キャリアウーマン向けレディスウェア/ファッション雑貨
【職務内容】商品数10万点規模のECサイトにおける負荷分散を目的とした仮想サーバー構築業務
「いつ」は表組みで
「いつ」という要素は、職務に携わった期間となります。
個別の職務毎にかっこ書きで年数を表記する方法もありますが、その場合は短い職務領域も表すコトになり、年数によってはネガティブな印象を与えてしまいます。
そのため期間に関しては職務経歴欄で一般的に使われる表組みを使って、期間毎に業務内容を表現する方が分かりやすいです。
参考例として部署異動があり、業務内容が変わった転職者の例を掲載しておきます。
1つの表内で所属した企業での業務内容を表していますが、表内をさらに期間で区切ることで業務内容の違いを表現しています。
2010年4月~2014年6月 株式会社マルマル
事業内容:転職サイトの運営/人材紹介事業 資本金:1000万円 従業員数:500名
期間 | 業務内容 |
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2010年4月~2012年3月 | メディア事業部 第一営業課 (所属メンバー25名) |
中小企業を中心とした転職サイトにおける求人広告の営業。新規開拓、顧客提案、フォロー営業を担当。
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2012年4月~2014年6月 | メディア事業部 第四営業課 (所属メンバー25名) |
飲食店を中心とした求人フリーペーパー『バツー』における求人広告の営業。新規開拓、求人広告作成、フォロー営業を担当。
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「どこ」は営業や駐在エンジニアで重要
「どこ」という要素を重要視する職業は比較的少ないです。
ただ顧客特性の違いや土着性からくる信頼に違いが出る営業職や、コミュニケーションや仕事の進め方で自社とは違いのある駐在エンジニアなどは、どこで働いていたかという点は担当者がチェックする点です。
しかし別項目を立ててアピールする程ではありません。営業職の場合では先に説明した顧客の欄で、駐在エンジニアなら以降で説明する「仕事の進め方」で補足情報として説明する方がスマートです。
「どれ位」は成果や実績を強烈にアピール
「どれ位」の項目は、職務における成果や実績をアピールする項目となります。
営業職や販売職の場合は、直接的に売上実績という項目を分けて記載しますが、その時に売上額と合わせて期間、達成率なども記載します。MVPや社長賞など表彰実績もあれば、ぜひ加えておきます。
管理部門やエンジニアといった役務提供が中心な職種は処理件数や効率化を表す数値といった、取り組みにおける結果を記載しましょう。
【売上実績】2016年度2500万円(達成率105%)※社内売上ランキング第2位(営業150名中)
【実績】生産ラインにおける稼働率17%アップ(前年度比)
「どのように」は全てを包括した内容
これまで6つの視点で業務内容を説明してきました。しかし、個別の項目などを立てるのでなく1つの文章の中で、各項目を説明する場合やアピールしたい個別の内容が存在する場合もあります。
その場合は「概要」、「担当業務」、「取り組みポイント」といった幅広い内容を説明する項目を立て、仕事内容を2~3行の文章で表現することもお勧めです。
その際は他の5W+1Hの要素も踏まえて、できるだけ固有名詞や数字を使って具体的に表現するコトが重要です。
例えばSEにて要件定義にフォーカスして業務を記載した例を次に掲載するので、参考にしてください。
【要件定義業務】
製造業における要件定義を担当。工場長、生産管理、資材担当、経理担当と業務内容についてヒアリングを行い、他者事例も踏まえて業務内容をまとめる。システム担当者、PM、SEとの打合せを経て要件定義を作成。受注金額5000万~2億円の要件定義を約30件担当。