誰でも出来る!職務経歴は環境、仕事、成果の3要素で振り返る

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転職において職務経歴は企業に対してあなたを最も強力にアピールする材料です。それは書類選考における職務経歴書や面接での経歴アピールといった場面で発揮されます。

しかし、実際に職務経歴を書き出そうと思うと案外上手くいきません。ここ数ヶ月以内のコトや印象深いシーンばかりが思い浮かんでくるばかりで、結果として内容が薄い職務経歴しか出来上がらないという人が多いのです。

このページでは、環境、仕事、成果という3要素をベースにした職務経歴の振返り方をお伝えします。この方法を実践すれば自分の職務経歴が上手く掘り起こされ、職務経歴書や面接を通じて非常に効果的に企業にアピールすることができます。

職務経歴を構成する3要素

まず3要素を詳細に解説する前に、全体像をお伝えしておきます。職務経歴を過不足無くなく振返る為には次の3要素をベースにして考えます。

  • 環境
  • 仕事
  • 成果

後ほど詳細を解説しますが、まずはそれぞれの要素について簡単に解説します。

環境は職務経歴書の区切り

職務経歴のメインは仕事内容ですが、環境が変わった場合に仕事内容も変わるのが普通です。そこで仕事内容を分かりやすく整理するために転職、部署異動、職務変更といった仕事を行う環境が変わる期間を1つの区切りとして職務経歴を考えていきます。

具体的な方法は後ほど解説しますが、職務経歴の全体像を仕事の環境ごとに区切っていくイメージです。

仕事は余すこと無く振返る

仕事は職務経歴のメインパートですが振返る上では出来るだけ細かい内容まで網羅する必要があります。

実際に職務経歴書や面接でアピールする上では職務経歴のどの情報に焦点を当ててアピールするかが重要ですが、職務経歴の振返りでは可能な限り情報を集めます。

現時点であなたがアピールする程の情報では無いと思っても、実際に企業側にとっては魅力的な内容だったという場合も多いからです。

成果こそ企業にとって重要な指標

職務経歴を振返る上で、おろそかになりがちなのがこの成果の部分です。企業は仕事をして貰う為には人を雇うのではなく、成果を上げて利益を生む為に人を雇うのです。

そのため、最終的な成果は企業にとって重要な指標なのです。成果について自分には立派な実績が無いという人がいますが、それは違います。売上や企画といった何を生み出す事だけが成果ではありません、これについても後ほど解説します。

環境で職務経歴を分ける

それでは具体的に環境について解説していきます。先程、職務経歴の全体像を仕事の環境毎に区切っていくとお伝えしましたが、具体的には次のような区切りです。

  • 期間:2008年~2012年
  • 企業名:株式会社ABC
  • 従業員数:1200名
  • 売上高:40億円(2012年)
  • 資本金:1000万円
  • 事業内容:機械部品メーカー
  • 所属:東京支店第一営業部
  • 期間:2012年~2015年
  • 企業名:株式会社XYZ
  • 従業員数:2000名
  • 売上高:60億円(2016年)
  • 資本金:5億円
  • 事業内容:医療機器メーカー
  • 所属:営業グループ
  • 期間:2012年~2015年
  • 企業名:株式会社XYZ
  • 従業員数:2000名
  • 売上高:60億円(2016年)
  • 資本金:5億円
  • 事業内容:医療機器メーカー
  • 所属:マーケティンググループ

この方は1度転職を行っており仕事の環境が変わっているので1社目を1つの区切りとしています。

2社目では部署異動によって営業グループからマーケティンググループに環境が変わった為、仕事内容が変わりました。その為、職務経歴の期間としてはここを職務経歴の区切りと考えます。

このように仕事を行う環境毎に期間を分けるコトで、以降はこの3つの期間で職務経歴を考える事ができます。まさに最初にお伝えした、職務経歴全体の中で区切りをつけるイメージです。

仕事は5W1Hに分解する

次は職務経歴のメインである仕事です。先程の環境で区切った3つの期間毎にあなたが経験してきた仕事内容を明らかにしていきます。

仕事を理解する6つの視点

経験してきた仕事を漏れ無く明らかにするには、ビジネスシーンでもよく使われている5W1Hのフレームワークに当てはめて考えると上手くいきます。5W1Hとは次の6つの視点のアルファベットの頭文字をとった物事を理解する為の考え方です。

  • What(何を)
  • Where(どこで)
  • Who(誰)
  • When(いつ)
  • Why(理由)
  • How(どのように)

以降でそれぞれの視点を持って仕事内容を理解する為のポイントを解説します。

What(何を)はあなたが提供する商品やサービス

仕事はどんなものであれ、何かを提供する事で対価である報酬を得ています。営業や接客といった商品やサービスの最前線に立つ職種は分かりやすいです。

営業なら機械部品等の有形物から、広告枠やソフトウェアといった無形物まで、接客も洋服や電化製品といった有形物から、接客対応サービスといった無形物までを扱い、コンサルタントならノウハウという無形物を提供しています。

悩んでしまうのが事務職、人事、経理といった企業の顧客に対して商品やサービスを提供していない職種の人です。しかし、これらの職種は社内向けに資料作成、人事管理、金銭管理といったサービスを提供しているのです。

有形物、無形物といった形態や社内、社外といった提供先を問わず自分が扱ってきた商品やサービスは何なのか振り返ってみて下さい。

Where(どこで)はあなたが仕事を行ってきた場所

仕事を行ってきた場所は理解しやすいはずです、営業職なら担当エリア、接客ならどの店舗かといった具合です。職務経歴上あまり重要に感じられない項目だと思われるかもしれませんが、仕事の進め方を知るヒントになります。

例えば、営業なら顧客が密集しているエリアの場合競合との競争に巻き込まれるためどのように差別化を図るか?接客なら店舗のエリアによって客層が変わるため接客スタイルに違いがでるでしょう。

エンジニアでも社外に出て打ち合わせが多い人と社内での調整業務が多い人では磨かれるコミュニケーション能力に違いが出てきます。

このように、働く場所によって外的要因が変わってくるため、自身の仕事やスキルを深く理解するために場所を知ることは必要です。

Who(誰)は大きく2つに分けられる

仕事の中で、誰という場合は大きく2つに分けられます。1つ目はあなたが商品やサービスを提供する相手、2つ目は商品やサービスを提供する上で協力する相手です。

商品やサービスを提供する相手

商品やサービスを提供する相手は分かりやすいはずです、営業や接客なら顧客であり、事務や経理といった職種では自社や自社の社員になります。仕事を進める上で提供相手は重要です。

相手の状況、志向等によって必要とするスキルに違いが出てくるからです。同じ法人営業でも社長相手と情報システム担当に営業をする場合を考えれば、アプローチや提案方法にも違いが出ることは明らかです。

転職において職種や業界が違ってもビジネス相手が共通の場合、その仕事自体が未経験でも成果に結びつく可能性が高く、採用シーンでは評価されやすいです。

協力する相手

もう1つは、仕事をする上での協力相手です。例えば、高額なITシステムや工場プラント等の営業職では商品やサービスが自社のみで完結せずに、複数の企業と協力して営業活動をする場合があります。

そのような仕事は調整力や進捗管理といったプロジェクトマネジメントのスキルが仕事の成果に影響を及ぼすため、経験がなければ採用には至らないケースが多いです。

ビジネスの相手だけでなく、関わる利害関係者全てを対象としてWho(誰)を考えてみて下さい。

When(いつ)は仕事のスパンで考える

When(いつ)という時間軸の視点においては、仕事のスパンである期間で考えてみましょう。

営業職なら顧客と長期的な関係を築いていく仕事も多いです。産業機械やITシステムはサポートが必要な為、顧客と長い付き合いがあり提案の機会も増えます。逆に単価が低く、競合が多い商品を扱う営業はすぐに新しい顧客を探す必要があります。

前者では担当顧客数が少なく契約単価が大きくなり、後者では担当顧客数が多く契約単価が小さくなります。それによって、必要な能力や適性も変わって来るため、仕事を知る上では考えておくべき視点になります。

Why(理由)を知るコトで仕事が広がる

理由とはあなたが従事していた仕事の意味と捉えて下さい。

機械部品の営業職なら顧客は部品そのものが欲しいのでなく、部品を使って魅力的な商品をつくりあげる事を目的としています。人事は会社で働く人の採用、評価、管理等を行うことで従業員達をサポートし経営を円滑に進めています。

このような考え方は、あなたの仕事に対するやりがいや意義を見出すと共に、商品やサービスを提供する相手によりレベルの高い価値を提供することにつながります。

働く上で非常に重要なことですが転職活動において目に見えて役に立つ実感が得られない為、軽視されがちな視点ですので注意が必要です。

How(どのように)は流れと取組で理解する

最後のどのようにという視点は大きく「流れ」と「取組」という部分に焦点を当てて考えます。

仕事の流れ

流れに関しては携わる職務ごとに、始まりから終わりまでを定義します。その時に、携わる職務が全体を通して1つの場合と複数の職務に携わっている場合があります。

例えば営業職なら、顧客アプローチ→顧客訪問→提案→契約→納品→フォローという一連の流れになっています。しかし、人事なら年間を通して採用業務、評価業務、給与業務といった具合に複数の独立した業務を行う場合があります。

独立した複数の業務に携わっている場合は、それぞれの業務に対して始まりから終わりまでを定義します。人事に採用業務なら社内ヒアリング→募集計画→募集活動→採用活動→入社業務といった一連の流れを1つの業務として、評価業務、給与業務も同じように定義をします。

規模の小さな企業における企画管理系の職種ではこの傾向が強いです。経理が総務の仕事をしたり、マーケティングが広報の仕事をしたりといった具合です。

チームを率いた経験や部下を持っていた方は、マネジメント業務も1つの独立した業務として考えて下さい。

仕事の取組

それぞれの業務の流れが定義されたら、具体的に行った仕事の内容を振返ります。この時に、今までのWhatやWhoといった視点を思い返すと具体的な仕事の取組が明確になってきます。

言ってしまえば、この仕事の取組こそが職務経歴そのものと言える為、今までの視点を持って振返ります。

成果は実績だけにあらず

職務経歴の3要素の最後は仕事の成果です。

仕事の成果と聞くと、売上などをイメージする人が多いですがそれだけではありません。確かに営業職の場合は売上が大きな指標になりますが、例えば1日の顧客アプローチ数や月間の提案書作成数、プレゼン数等も仕事の成果の1つです。

利益に直結すれば望ましいですが、管理系職種やエンジニア等は仕事のアウトプット自体が成果になります。技術エンジニアならコストダウンの比率、ITエンジニアならシステムの稼働率の向上といった指標も成果です。

重要なコトは数値で表現することです。営業職でも「新規顧客の開拓業務」と「新規顧客へのテレアポ件数50件/1日」では、職務経歴としての明瞭性と説得力が大きく違います。