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第二新卒は経験が浅い分、職務経歴書を書く時に実績が少なくアピールできる内容が無いと思っていませんか?
たしかに中途採用は経験者を求めるため、どれだけ能力や実績をアピールできるかが重要です。しかし第二新卒に関しては、企業の求めるものが即戦力ではないため事情が違います。
そこで今回は第二新卒における職務経歴書の書き方について、押さえておくべきポイントをお伝えします。この書き方のポイントを押さえれば、あなたの職務経歴書も書類選考を通過するはずです。
目次
企業が第二新卒に求めるもの
まず書き方のポイントをお伝えする前に、企業が第二新卒に求めるものを理解して下さい。具体的には次の4つが、企業側が第二新卒の転職者に求めている内容です。
- 柔軟性
- 基礎能力
- 行動力
- やる気
簡単に説明すると、柔軟性とはどのような環境においても人や物事に対処できる姿勢や能力、基礎能力とは社会人としてのビジネスマナーをはじめコミュニケーション能力や論理的思考能力といった全ての職務の基礎になる能力です。
行動力は職務や人に対して自分から働きかける事のできる姿勢や能力のコトであり、やる気とは将来に対する目的意識を持って仕事に取組む事で生まれる働くことに対するモチベーションです。
経験が浅い分、企業としては第二新卒にこれら4つの能力や適性を求めているのです。第二新卒が書類選考を通過する職務経歴書を書くには、まずこの前提を理解しておいて下さい。
なお、企業が第二新卒に求めるものについては次のページで詳しく解説しています。
実績よりその過程をアピール
それでは早速書き方のポイントについて解説していきます。ひとつ目は職務経歴書においては実績よりその過程をアピールするコトが重要という点です。
第二新卒の実績は評価されないという現実
第二新卒の中には売上や担当プロジェクトなど目を引く華々しい実績を持っている方もいれば、会社の方針で実績を上げる機会を与えられなかった方もいます。
ただ、どちらにしても第二新卒の職務経歴書においては実績の過度なアピールはマイナス要因にもなることを覚えておいて下さい。
全てとは言いませんが、社会人になって3年以内の第二新卒の実績に関して企業側はあまり評価をしていないというのが本音です。
もし華々しい実績があったとしても、それは機会や環境に恵まれていただけで、継続的に実績を生み出す能力があるとは考えないのが多くの企業での考え方なのです。
むしろ第二新卒でやたらと実績をアピールしても自己認識が出来ていない人、または自意識過剰で扱いづらい人と思われるだけです。
たしかに若くても能力があり実績を出している人はいますが、現実としてそれを評価、判断し認める企業は少ないと認識しておいて下さい。
実績よりも取り組み
企業としては実績につながるようにどのような取り組みをしたのかが知りたいのです。
例えば大きなプロジェクトで実績を出した経験があっとしても、そのプロジェクトを任されるためにどんな努力をしたのか?、成功させるために工夫したことは何か?、課題に直面した時に何を考えどう行動したか?の方が企業は知りたいのです。
このような実績につながる取り組みの中にこそ、あなたの能力や志向を知るヒントがあるのです。
経験がある転職者には即戦力性を求めるため実績や成果を重視しますが、第二新卒に関して企業は3年、5年、10年先を見越して採用しようと考えます。
つまり、よりあなたの本質的な能力や志向を知りたいのです。その為には、実績よりもその取り組みこそが重視されるのです。
注意していただきたいのが、職務経歴書に実績を記載するなという事を言っているのでなく、フォーカスする点やボリュームとして実績よりもそれに至る取り組みに力を入れて書くべきだと言っているのです。
華々しい実績や経験については、最終的な成果やあなたの経験領域をアピールする上では重要です。数字や具体性を持って記載はするべきです。
ただあくまで事実として端的に記載するコトに注意してください、変にアピールしようと売上実績やプロジェクト概要の説明が長くなってしまうのはNGという事です。
鉄板のエピソードは3パターン
2つ目のポイントは職務経歴書に書くべき鉄板のエピソードについてです。
先ほど実績よりも取り組みにフォーカスして書くべきだとお伝えしました。その為に効果的なのは、具体的な取り組みのエピソードを書くことですが、実は第二新卒が企業に評価されやすい3つのエピソードのパターンというものがあります。
具体的には次の3つのエピソードです、それぞれ簡単に説明をしたいと思います。
- 何か継続して取り組んだエピソード
- 誰かを巻き込んで仕事をしたエピソード
- 何かを改善したエピソード
何か継続して取り組んだエピソード
第二新卒はビジネスパーソンとしての能力や経験が少ないため、成功体験のエピソードを語ってもどうしても説得力に欠けてしまいます。
そこで地味でも継続して何かに取り組んだエピソードを思い出して下さい。忍耐力や継続性といった将来の活躍に必要な能力については企業としても、非常に評価が高いです。
しかも取り組み内容も地に足のついたエピソードになりやすいため、非常に説得力や共感性が高く第二新卒がアピールする上ではおすすめです。
例えば営業なら1日30件のテレアポや飛び込みを欠かさず続けたエピソードや、顧客訪問した当日中に顧客ヒアリング内容をまとめた資料を欠かさず送り続けたエピソードなどです。
実際に転職エージェントとしてお手伝いした事例で、1年間毎日欠かさず日経新聞を読んで目に止まった事例をノートに書き込み、それをネタにして新規アポや訪問での営業トークに使っていた第二新卒の方がいました。
その時の面接官は営業マネージャーで、その方の忍耐力と独自性を非常に高く評価し、面接で営業の大変さで非常に盛り上がり内定を勝ち取っていました。
注意点として、嘘はつかないという事です。継続性のエピソードは内容が地味な分、エピソード細部のリアリティや工夫など実際に取り組んでなければ出てこない話があります。
それが説得力を増す材料なのですが、嘘や大げさな場合は逆に内容が薄っぺらくなってしまいます。必ず実際に継続して取り組んだ内容をエピソードとして用意してください。
誰かを巻き込んで仕事をしたエピソード
誰かを巻き込んで仕事を進めた話も、第二新卒のエピソードとしては評価が高いです。
誰かを巻き込んで仕事を進めるにはコミュニケーション能力を始めとした基礎能力だけでなく柔軟性、行動力、やる気といったものが必要です。これらは、先に説明した企業が第二新卒に求めるものを全て網羅しているのです。
それだけ仕事の進め方としてはレベルが高いと言えますが、何も特別な経験を語ることはありません。
私がエージェントとしてお手伝いした方で、営業サポートをする事務職の方がいました。その方は営業に代わって顧客へ簡単な連絡とキャンペーン提案をする役割も担っていました。
ただ実際に顧客訪問をしたコトがないので、お客さんとの関係性が構築できておらず無理なスケジュールを強いられる事や、提案したキャンペーンも再度営業から連絡するといった無駄が発生していました。
そこで営業会議で、営業サポートも営業マンと一緒に顧客訪問をしたほうが関係性を構築できると発言し、定期的に営業に同行するコトになったのです。
結果として無理なスケジュール進行も減り、営業サポートからの提案でも契約が発生するようになったのです。
もちろん営業会議で発言する上で資料を用意したり、事前に営業マネージャーへ根回ししたりと工夫はしていましたが、何か特別なアクションをした訳ではありません。
決して大きなプロジェクトを管理した話や、部署や顧客を超えて何かを成し遂げた話でなくとも良いのです。
あなたもこのような、自分以外の人に働きかけるコトで仕事の成果につなげた経験があるなら是非エピソードとして利用して下さい。
何かを改善したエピソード
何かを改善した経験も第二新卒のエピソードとしては効果的です。
何かを改善するというコトは事前の状況分析、実際の行動、振返りといった流れが必要です。その中には物事を把握する論理的思考能力を始め、実際に改善する行動力や問題に対処する柔軟性が必要になります。
第二新卒が基礎能力や適性をアピールするにはもってこいの内容なのです。
特に営業や販売以外のエンジニア、事務、管理部門といった職務が直接的に成果に結びつきづらい職種にとっては実績と共に取り組みをアピールしやすいエピソードのパターンです。
注意する点として改善系のエピソードは理路整然としすぎてリアリティが無く、面白みに書ける内容になりがちなので、つまずいた事や苦労した内容をどう工夫して改善したかにフォーカスして組み立てて下さい。
志望動機を書かないのは損!
第二新卒が職務経歴書を書く上での3つ目のポイントは、志望動機を必ず入れるという事です。
応募書の能力や経験をアピールする職務経歴書では志望動機は必須の内容ではありません。どちらかと言えば面接で聞かれて答えるというシーンが多いです。
ただ第二新卒にとっては次の2つの理由から、ぜひ職務経歴書にも志望動機を書いてください。
- 経験や能力で差がつかない
- やる気をアピールできる
経験や能力で差がつかない
第二新卒は社会人経験3年以内なので、正直経験や能力で大きく差をつけるのは難しいです。
もちろん実際に経験や能力で大きく差があるコトもありますが、先にお伝えしたように企業としては経験や能力に大きな差を感じてはいないのが現実です。
職務経験や能力で差がつけられないので、何かしら別のアピール内容が必要になります。それが志望動機という他者があまり書かない内容を書くということなのです。
他の応募者が記載しない内容だからこそ、読み手にとっては応募者の独自性やアピールの目新しさを感じやすくなります。
実際に応募時点で説得力のある志望動機を書くことは大変です。適当な志望動機を書いた場合、面接日までに明確な志望動機が固まったからといって、職務経歴書と違う志望動機を伝えてしまっては整合性が無くなってしまいます。
できれば面接までに考える時間が欲しいため、多くの人が職務経歴書に志望動機を書くことを避けたがります。しかし、だからこそ書く価値があるのです。
大変ではありますが、説得力のある志望動機を書いて他の応募者に一歩差をつけてください。
やる気をアピールできる
企業が第二新卒に求めるもので最も重視するのは、応募者の「やる気」です。例え能力や経験が劣っていても、将来的に活躍できるかはやはり本人のやる気にかかっているからです。
しかし自分はやる気がありますと言っても説得力はゼロです。仕事に対するやる気とは、将来の目的意識があるかどうかで判断されます。
営業マンとして実績も上げつつ部下を育てる存在になりたい、市場にまだ無い新たなWEBサービスを立ち上げたい、30代で経営者としての経験をつけるため新規事業プロジェクトを立ち上げたい。
このような目的意識がある人こそ、日々の仕事に対しても高いモチベーションを持って取り組めるのです。
このような目的意識は、応募する企業との志望動機とリンクする必要があるため、志望動機を語ることが目的を語ることになり、最終的にはその方のやる気をアピールするコトにつながるのです。
まとめ
さて第二新卒の職務経歴書を書くポイントについて解説してきました。まとめると次の内容になるので、いま一度整理して職務経歴書を書く参考にしてください。
- 実績よりもその取り組み過程を伝える
- 継続的に取り組んだエピソードは効果的
- 他者を巻き込んだエピソードは効果的
- 何かを改善したエピソードは効果的
- 必ず志望動機を書く