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転職における平均的な期間を知るため、公開されている転職データについて考察した内容を解説します。あなたの転職スケジュールを考える参考にして下さい。
目次
厚生労働省の転職データ
まずは厚生労働省が平成28年9月20日に発表した「平成27年転職者実態調査」の公開データです。転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間についてのデータを基に当サイトで作成したグラフです。
最も多いのが、1か月以上3か月未満で27.2%、1か月未満の19.3%と合せると全体の46.5%を占めることになります。ただこのデータには、転職活動期間なしと回答した25.8%、不明と回答した1.6%が含まれています。
転職期間なしがどのような理由かは明示されていませんが、恐らく親類、友人、知人等の縁故の割合が多いのではないでしょうか。
なしと不明を除くと、1か月以上3か月未満で37.5%、1か月未満で26.6%となります。先程のデータを基に当サイトで再度作り直したグラフが次のものです。※小数点第2位を四捨五入しています。
厚生労働省の転職調査データ
不明、転職期間なしとの回答者を排除した場合は、3ヶ月未満では64.1%と全体の6割以上になります。全体の半数以上を超えており、転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間は平均的には6割以上と考えられます。
期間は辞めるまでを含んでいる
注意する点はこのデータでの期間は、転職活動において転職先から内定が出るまでに加えて現在の会社を辞めるまでを含んでいます。その点では、引き継ぎ等の会社を辞める期間までをも含めての数字となります。
対象データの属性
もう1点注意する部分があります、それはデータの対象者です。先に示したページリンク先内に「直前の勤め先及び現在の勤め先の状況」と「労働者の区分、性別労働者の状況」というpdfファイルがあり、データの対象となる個人の属性が見て取れます。
それによると、正社員の割合は72.7%、正社員以外の割合は21.3%とあります。
さらにデータ内で所属する産業としては特定されている業界として上位から卸売業/小売業17.9%、製造業16.8%、医療/福祉13.1%、宿泊業/飲食サ-ビス業8.9%、運輸業/郵便業6.8%の5業種で合計63.5%を占めています。
加えて規模別では1000人以上6.5%、300~999人9.5%、100~299人15.2%、30~99人25.1%、5~29人43.6%と100名未満の規模で68.7%を占めています。
所属する事業の募集方法もハローワークでの募集が65.7%と最も多いです。
以上のデータから当該データの対象者の多くはスーツを着るようなホワイトカラー職種でなく、所属規模も100名未満の中小・零細企業であり、5人に1人は正社員では無いと考えられます。
ホワイトカラーやキャリア志向の転職者データ
厚生労働省のデータでは特定の転職者像を反映したデータになってしまいました。次は民間の人材事業を行う企業が調査したデータを基にホワイトカラーやキャリア志向の転職者における期間について考察していきたいと思います。
ピタジョブの転職調査データ
業界最大級の求人掲載数を誇るピタジョブが転職活動にかかる期間を調査したデータになります。当サイトでデータを基に次のグラフを作成しました。
このグラフによる内定が出るまでの期間の長さで最も割合が多いのは、1ヶ月~3ヶ月で37.2%、次点の1ヶ月で29.6%と合せると3ヶ月以内で66.8%が転職先の企業から内定を獲得している事が分かります。
注目すべき点は全体の約3割近くが1ヶ月以内で内定を獲得している事です。
同じ調査で明らかになった転職先の応募方法は、求人情報サイトと人材紹介会社を合わせて62.1%でした。先の厚生労働省が公開しているデータに比べてホワイトカラー系職種やキャリア志向の方に当てはまるようなデータだと言えます。
マンパワーグループの転職調査データ
世界80カ国に展開する総合人材サービス企業であるマンパワーグループが行った転職活動する人の実態調査報告です。転職活動を始めてから内定が出るまでの期間についてデータを基に当サイトでグラフを作成しました。
出典:マンパワー|働きながら転職活動する人の実態における調査報告
グラフから転職活動を始めてから内定が出るまでの期間として最も割合が多いのは、1ヶ月未満で39.0%、次に1~3ヶ月未満で30.8%となり、全体の69.8%である7割近くが3ヶ月未満で内定を獲得しています。
これに関しては、先のピタジョブのデータとほぼ同じ割合となっています。
DODAの転職調査データ
大手転職サイトを運営するDODA(デューダ)の転職者調査データです。転職活動を始めてから内定が出るまでの期間について、データを基に当サイトでグラフを作成しました。
出典:転職ならDODA(デューダ)|2014年今年転職した500人に聞きました
1ヶ月未満では38.8%、1~3ヶ月未満で33.2%となり、3ヶ月未満では72%が内定を獲得するという結果になりました。先のピタジョブやマンパワーとほぼ同じ結果となりました。
さらにDODA(デューダ)の調査対象は20歳〜64歳のホワイトカラー系職種となっており、該当職種が明確になっています。
パソナキャリアの転職調査データ
大手総合人材サービスを手がけるパソナキャリア調べのデータとなります。データを基の当サイトでグラフを作成しました。
転職活動開始から入社先を決めるまでは1ヶ月未満で24.2%、1ヶ月程度で20%、2ヶ月程度で17.4%、3ヶ月程度で16.6%と今までのデータの中では期間の区切りが細かいです。
先のピタジョブ、マンパワー、DODA(デューダ)のデータと比較して3ヶ月以内で考えると78.2%と若干高い数値になっています。これは次の2つの点に焦点を当てた事で、転職において活発な層が調査対象者になった為だと考えられます。
- 25歳~44歳と対象年齢を狭めた
- 地域を関東、中部、関西と限定した
加えて、転職手段として求人掲載サイトと転職支援サービスの利用者の合計が64.3%とありホワイトカラー系職種やキャリア志向の方を中心とした調査結果である事も読み取れます。
転職期間は2ヶ月が目安
人材事業を行う4社の公開データからホワイトカラーやキャリア志向の転職においては3ヶ月以内の内定が平均的である事が明らかになりました。
パソナキャリア調べのデータではより詳細な期間が明らかになっており、25歳~44歳で関東・中部・関西圏のホワイトカラーやキャリア志向の方では61.6%が2ヶ月以内、78.2%が3ヶ月以内という期間で内定を獲得します。
20代、30代、40代の三大都市圏におけるホワイトカラー系職種、キャリア志向の転職者は転職活動において内定を獲得するまで2ヶ月という期間を1つの目安と考えるのが妥当だと考えられます。
小規模事業所所属でハロワーク活用者といった厚生労働社の転職データ対象者は退職まで含めているので、比較すると1~2ヶ月以上の期間が必要になると考えられます。
転職エージェントの調査データ
最後は大手総合人材サービス企業であるエン・ジャパンの転職データになります。今までのデータと違い求職者の支援行う転職エージェントにアンケートを取ったものであり、人材紹介サービスである転職エージェントを利用する層のデータだと言えます。
次はエン・ジャパンのデータを基に当サイトで作成したグラフであり、転職エージェントが担当した求職者のうち「」転職がきまるまでどのくらいの期間を要する方が多かったですか?」という質問に対するアンケート結果です。
1ヶ月半以内で17%、3ヶ月以内で58%となっており、合せると75%の転職者が3ヶ月以内に転職先が決まっている結果となりました。先の転職データに比べても高い数値となっていることが分かります。
しかしデータ基のページにて職種別の期間を見ると、IT技術者・事務・営業系においては転職期間が短く、経営企画・コンサル・金融・不動産系専門職等では転職期間が長期化しやすい事が読み取れます。
転職エージェントで期間が短くなる
サービス特性として管理職、ハイキャリア、専門職といった求人が少なく採用の見極めに時間が掛かる職種が含まれているにも関わらず、全体として3ヶ月以内の割合が75%になっています。
これは先の民間企業の調査結果と比較すると、転職エージェントを利用することで転職における期間が短くなる可能性が高いことをあらわしています。
転職の期間におけるまとめ
さて転職の期間において公開されているデータを見てきました。今までの情報から次のような考察ができます。
- 6~7割が3ヶ月以内で内定先が決まる
- 20~40代では期間は更に短くなる
- 内定までは2ヶ月程度を目安とする
- 転職エージェントの利用で更に短くなる
前提として都市圏でのホワイトカラー職種が該当するとお考え下さい。あなたの転職状況がこの属性に該当するなら、内定までの期間としては2ヶ月が平均的と考えられます。