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面接で次のように他社の応募状況を聞かれた時にあなたは、明確に答えることができるでしょうか。
他にどのような会社に応募していますか?その中で弊社への志望度はどの程度ですか?
もし特に考えずに正直に話しているなら注意が必要です。多くの面接は30分から1時間程度ですが、その短い時間で敢えて聞いてくるという事はこの質問に企業側の明確な意図があると理解するべきなのです。
そこで今回は転職の面接における他社の応募状況に関して解説したいと思います。
まず面接官は何を目的としてこの質問をしているのかという質問の前提について説明し、その上でベストな回答方法とその注意点を解説します。
目次
他社の応募状況を質問する目的
まず前提として質問する面接官は何を目的として他社の応募状況を質問するのでしょうか?基本的には次の4つの目的がありますので、それぞれについて説明したいと思います。
- 入社意思の確認
- 意欲の確認
- 応募者の軸をチェック
- 採用におけるアンケート
入社意思の確認
まずは応募者にとって採用を左右する重大な理由ですが、間接的に入社意思を確認しているという理由です。
入社に関しては合格が出せるレベルだが他の応募者の面接がまだ残っている場合や最終的な決定は複数人で出すようにしている場合は採用が未確定なので直接的な意思確認を応募者にはできません。
そういった時に、間接的に入社意思を探るために他社の応募状況について質問するのです。この場合は第一志望で入社したいという意思が見えなければ企業側としては採用を躊躇します。
意欲の確認
あなたを含め複数の応募者で迷っている場合には、やはりこの企業で働きたいと思う人材を採用するのは企業としては当然の判断です。入社の意欲がある人材なら辞める可能性は低いですし、仕事の取り組みも期待ができるからです。
むしろ多くの企業ではこの入社への意欲自体が、内定を左右する重要な要素となります。やはり「2番目に好き」よりも「1番好き」が選ばれるのは当然だと言えます。
応募者の軸をチェック
どのような企業を受けているかで、応募者の転職の軸が判断できます。つまり何を目的にして転職活動を行っているのかが分かるのです。それが自社への志望動機と違っていたら企業としては内定辞退や退職を警戒する必要があるからです。
これについては重要なことなので、後ほど説明する「ベストな回答方法」の中で解説します。
採用におけるアンケート
最後は内定に関する重要な内容ではありません。人事等が自社の採用を分析する為に、応募者がどのような企業を受けているのかアンケートを取っているパターンです。
特に現場マネージャー等は職務経験に注力して採用可否を決定しており、他社の応募状況には興味が無いという方もいます。それでも人事から必ず聞くように言われて仕方なく質問しているケースがあるのです。
4つの目的を説明しましたが、面接経験が豊富な人事や人を判断する事に長けている社長や役員などは特に意欲や志向のチェックとして他社の応募を聞いてくる事がよくあるので注意が必要です。
他社の応募状況に対するベストな回答
質問に対する面接官の意図は様々ですが転職エージェントとしての経験から私が考えるベストな回答は次のような内容です。
他にどのような会社に応募していますか?その中で弊社への志望度はどの程度ですか?
御社と同じ自動車部品メーカー2社の選考を受けておりますが、第一志望は国内外複数の自動車メーカーとの取引がある御社です。
ポイントとして他社応募は伝えること、理由を明確にした上で応募企業が第一志望と伝える事の2点です。以降で2点について詳細を説明します。
他社を受けている事は伝える
ポイントとして他社応募は伝えることと書きましたが、それには理由があります。「面接官が質問をする目的」の部分でもお伝えしましたが、面接官は他社の応募からあなたの転職の軸を探っているのです。
例えば営業職の募集で、志望動機含めた転職理由に説得力があったとしても、同時に他社のコンサルタント職に応募していると聞けば面接官は応募者の転職の目的に疑問を持ちます。
その場合はキャリアが定まっていない可能性やコンサルタント職が諦めきれず退職する可能性から採用は見送られるでしょう。
他にも、個人の裁量が大きいという理由でベンチャー企業を受ける転職者が同時に大手企業を受けていたら、その志望動機が疑われるのは仕方がない事です。
他社応募を聞くことで転職者の軸を見極めるのは、面接における基本的なテクニックの1つなので採用経験が豊富な人事担当者はよく使う質問です。
他社を受けている事は伝えると書きましたが、この点には注意して下さい。つまり明らかに軸が違う他社応募に関しては、正直に伝えることはやめるのです。
もちろん、あなたなりに説明する理由があり面接官もそれについて質問してくれる場合は問題ないです。しかし、それ以上追求されず面接官の心の中だけで判断される可能性もあるので、敢えてリスクは取らず隠す事がベストです。
他社応募がなければマイナス評価!
実は、もう1つ他社を受けている事を伝える理由があります。それは、あなたが他社に応募していなければ次の理由からマイナスの印象を与える可能性があるからです。
- 比較検討をしていないのか?
- 嘘をついているのか?
- 転職活動の初期なのか?
- 他は落ちているのか?
転職は人生を左右するものなので比較検討の為に複数応募は常識ですが、それを行っていない人だと面接官が判断するのです。下手をすると嘘をついているのかと疑われることさえあります。
さらに他社は全て落ちてしまった人材だと勝手に判断されたり、まだまだ転職活動の初期で内定を出しても結論をすぐに貰えそうにないと考えられたりするのです。
もちろんこのように感じる方が多いとは言いませんが、中途採用は短い時間と少ない情報で判断する為に面接官は様々な予測をします。あなたの知らない所で勝手に判断される位なら最初からリスクは避け他社応募を伝えておくべきです。
理由と合わせて第一志望と伝える
他社の応募状況を伝える上でもう1つの重要な点は理由と合わせて第一志望と伝える事です。先に説明した通り、面接官が入社の意思確認や意欲を見極める為に質問をした場合はやはり第一志望だと伝えなければ評価は得られません。
その中で次のように伝える方がいます。先程の例文と内容は同じですが、第一志望であると明言は避けています。
御社と同じ自動車部品メーカー2社の選考を受けておりますが、国内外複数の自動車メーカーとの取引がある御社に非常に魅力を感じております。
先程の第一志望と言い切った内容と比べてどちらが意欲や入社意思を感じるかは一目瞭然です。むしろ志望度を問われた場合に、このような回答をすれば自社が1番で無いことを面接官はすぐに感じ取ります。
注意する点は第一志望である理由を述べる事です。この理由がなければ、第一志望という事さえ疑わしく感じられます。この部分は志望動機でいうところの「働く環境としての魅力」と捉えれば非常にまとまった回答となります。
面接における志望動機の回答は次のページにて解説しています。
転職の面接で志望動機は「基本回答」と「追加質問」にて攻略せよ
明らかに他社の方が魅力的な場合
ただ第一志望と言い切きる上で注意することがあります。それは給与や業界の優位性等において、明らかに応募している他社の方が質問を受けている企業よりも魅力的な場合です。
仕事をしていれば同業他社の話を聞くことは多いです。そうでなくとも企業規模や募集要項を見れば明らかに魅力的な企業というのは存在します。
転職エージェントをしていると人事の方とお話する機会も多いですが、実際に次のような話を聞くこともあります。
人事の私がそれを言ったら駄目ですけども、明らかに応募している他社の方が魅力的な求人なのに「御社が第一志望です」と聞くと、正直嘘だろうと思ってしまいますよ。
このような場合は、敢えて応募していることを隠すのも必要だと考えて下さい。